タンポポ、分類について

これは01年、茅野地籍の八ヶ岳で見つけたものです。周辺に3株ほど見つけましたが、それ以外はセイヨウタンポポでした。

セイヨウタンポポの繁殖力の強さ。

山梨県、小淵沢で見つけた株。  これもウスジロシナノです

02年の同じ株です。すこし早かったようですが元気に咲いてます

種類の見分け方をまとめてみました この他にも各地に別種があります。

花びらが白い

シロバナタンポポ
種子は褐色

 花びらが黄色

総苞片が外曲           外曲していない

総苞片に小突起

なし         あり

セイヨウタンポポ   アカミタンポポ

外片は内片の1/2以下        1/2              1/2以上

カンサイタンポポ

総苞片に小突起

あり         なし

カントウタンポポ   シナノタンポポ

ヒロハタンポポ

この他にミヤマタンポポ、ヤツガタケタンポポという高山種もあるようです。
高地の20〜30cm程のタンポポがこれだと思います。
北アルプスはミヤマ、、(白馬はシロウマタンポポ)
で南アルプス、八ヶ岳はヤツガタケ、、、だそうです。

http://www.oups.ac.jp/supported/koho/rensai/kansai.htm
関西薬科大学

植物の話題:
キク科タンポポ属の多年草.カントウタンポポ,トウカイタンポポ,シナノタンポポと共に,まとめてタンポポと呼ぶ.
小花数(数字)はシナノタンポポ(160)>トウカイタンポポ(120)>カントウタンポポ>カンサイタンポポ(60)で,
セイヨウタンポポに慣れた者にとっては,本種の頭花は小さく見える.
セイヨウタンポポは自家受粉し,高温でも発芽し,発芽期も長い.世界各地に帰化し,広がっている.
在来種は他家受粉し,20℃以上では発芽しない.夏には地上部が枯れ,休眠する.
秋に葉が展開し越冬する.環境指標植物で,在来種が多く生えている地域は自然環境が保持されていることを示す.苦味成分を含み,健胃薬として利用される

種子が赤い

帰化種

総苞片が外開する   外開していない

キビシロタンポポ
種子は黒褐色

東北地方の種はウスギタンポポ

シナノタンポポ型の特徴である広卵型で幅の広い大きな総苞外片の形がよくわかります

〜エゾタンポポ〜
■花期:3〜5月。
■特徴:
直径4cm前後と大きめの黄色い花輪。背も15〜40cmと大きい。
ガクに突起がなく、コロッと丸い感じに見える。

http://www.tbs.co.jp/radio/tanpopo/tanpopo/02kokusan.html

〜カントウタンポポ〜
■花期:3〜5月。
■特徴:
背は10〜30cm。花輪は直径3.5〜4cmぐらい。黄色い花を咲かせる。
ガクの外側にボコッと出っ張る突起がある。
主に関東地方周辺で見られる。
〜トウカイタンポポ〜
■花期:3〜6月。
■特徴:
背は10〜30cmで、黄色い花輪は3.5〜4cm。
ガクが大きく、外側には突起がある。

広島県のタンポポの比較 http://www.shobarakakuchi-h.hiroshima-c.ed.jp/tanpopo/syurui.htm    

たかがタンポポ と思っていましたがその種類はしろうとでは見分けがつかないほど多いのですね。
検索もしながら、情報をまとめていきます。    同じ角度の写真を並べないと比較ができないですね。

長野県内にあるエゾタンポポを区分してシナノタンポポと呼ぶそうです
花弁数 160

キビシロタンポポ http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/compositae/kibisirotanpopo/kibisirotanpopo.htm
シロバナタンポポ http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/compositae/sirobanatanpopo/sirobanatanpopo.htm 

在来種(日本タンポポ)は受粉しないと発芽できないので、近くに同じ種の株がないと繁殖できませんが、外来種は自家受粉で発芽できるため遠くまで飛んでいき、繁殖ができるそうです。
また在来種が受粉する過程でセイヨウタンポポと交配してしまい、雑種が生まれていることもある。

花弁数 60

トウカイタンポポ
  花弁数 120

シナノのシロバナ ウスジロシナノタンポポ  です

見つけた種類

エゾタンポポ



染色体2倍体

染色体3.4.5倍体

タンポポの色と染色体について
http://www.wnn.or.jp/wnn-n/shitumon01/shokubutu/sho_hana/8618.html

 北海道、東北、関東北部、中部地方に見られる在来種のエゾタンポポの中には、赤味を帯びたものがあり、これを特にベニバナタンポポと呼びます。
また、カントウタンポポの中にも、外側の花びらの先端部分が赤味を帯びたものがありました。
 まず、世界にはどのくらいの種類のタンポポがあるのか…それをを知っておきましょう。この点について、新潟大学教育学部教授の森田竜義氏はこう書かれています。
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タンポポ属は、世界に約2000種が分布する。
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 結構ありますね。それでは、この中には、どんな色のタンポポが、どのくらいあるのでしょう?これについて森田竜義氏はこう書かれています。
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 花が黄色でないタンポポは非常に珍しい。
白花は、日本の3種と朝鮮半島のケイリンシロタンポポ T.coreanum、タラクサクム・レウカントゥム T. leucanthumだけである。タラクサクム・レウカントゥムは、種小名も「白花の」という意味で、パキスタン、ヒマラヤ、パミール、アルタイの標高3000〜5000メートルの高山に生え、肉厚の細い葉を持つ。また、オレンジ色の花をつけるタラクサクム・ポルフィラントゥム T. porphyrantumが、中央アジアにみられる。

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 つまり、世界的に見ると、タンポポはほとんどが黄色で、白花もかなり珍しい部類に入るということがわかります。そんな中で、日本には、シロバナタンポポ T. albidum、キビシロタンポポ T. hideoi、オクウスギタンポポ T. denudatumといった白花種が3種もあるのですから、驚きです。
  ちなみに、引用文中に「タラクサクム・レウカントゥムは、種小名も「白花の」という意味で…」とありますが、これは、「レウカントゥム」という言葉が「白花の」を意味するのだ、ということを言っています。
 ところで、江戸時代にはタンポポの園芸品があったのをご存じでしょうか。農林水産省野菜・茶業試験場 茶栽培部育種研究室長の山口聰氏は以下のように説明されています。

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タンポポではまず、花の色変わりが登場する。『本草図譜』(ほんぞうずふ)(岩崎灌園−いわさきかんえん−著、1828年)には、「黒花」「青花」「紅花」や筒状花だけの「筒咲き」が美しい彩色画で示されている。
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 ただし、「黒花」「青花」には、花弁(花びら)は無かったようです。これは憶測ですが、「萼(がく)だらけ」といった印象の花だったのかもしれませんね。一方、「紅花」は「赤い花びらを持つ花」であったようです。野生ではありませんが、今から170年前には「変わった色」のタンポポも実在した、ということですね。
                            日本野鳥の会東京支部 幹事(普及部担当)  川端 一彦

 赤みがかった花のタンポポが天然にある,と言うことは,タンポポには赤い色素を作る能力がある,と言うことですね。実際,日本にも生えている外来のタンポポにアカミタンポポというのがあって,花は赤くなりませんが,茎や葉脈,実などに赤味が強いものがあります。
 しかし,タンポポの花の基本色は黄色か白であることに変わりはありません。この成因について,「共進化」という視点から考えてみましょう。
 タンポポの花の咲く時期は早春から始まります。この時期に花粉の運び役としていちばん活躍してくれるのが,ハナアブの仲間です。
 さらにもう少し暖かくなるとハナバチ,さらにチョウなどの「花粉の運び屋」が出てきます。日本在来のタンポポの場合,チョウが大活躍する季節(東京では5月ぐらいから)には,ほとんど花が終わり,真夏には休眠状態になってしまいます。
 しかも,タンポポの花は,比較的奥の方に雄しべと雌しべがありますから,口の長いチョウだと,足が雄しべや雌しべに触れないで蜜だけ吸ってしまう可能性が高いのです(タンポポも,ほんの少しだけ蜜が出ます)。ですから,タンポポにとっては,口の長い,大きめのチョウは,あまり役に立たないお客なのです。出来ればハナアブやハナバチに来てもらって,花粉を運んで欲しいのです。
 ハナアブもハナバチも,蜜と花粉の両方を餌にしています。花粉を求めて花びらをかき回すときに,たくさんの花粉を運んでくれます。一方,チョウは花粉は食べません。タンポポの花に蜜が少ない理由は,このあたりにもあるのかも知れませんね。
 そして,チョウが活躍する前の,まだ気温の低い時期から花をつけるのも,ハナアブなどに花粉を運んでもらうための知恵だと言えます。さらにもう一つ,重要なのが花の色。ハナアブやハナバチは,白や黄色は見えますが,赤は見えません。
 一方,チョウは赤い色も見えます。ハナアブやハナバチを呼ぶには,黄色や白が有利なのです。実際,早春に咲く花に,赤い花はほとんどありません。花が赤っぽくても,花粉が黄色だったりします。タンポポの花粉も黄色です。シロバナタンポポも黄色い花粉を持っています。
 以上のように,タンポポは花粉を運ぶ虫と共に,生態や形態の進化を遂げた,と考えることが出来たら,花の色や形の特徴についても理解しやすいと思います。

 しかし,タンポポの中には,花粉や雌しべの中の生殖細胞を作れない種類があります。
ふつう,哺乳動物は,1個の細胞の中に,同じ形の染色体を2つずつ持っています。これを「2倍体」と言います。動物が生殖細胞を作るときには,この染色体を半々に分け,「半数体」の細胞になり,雄と雌の生殖細胞をくっつけることで元の「2倍体」に戻って,新しい個体へと発生してゆきます。
 日本在来のカントウタンポポも,染色体は「2倍体」です。カントウタンポポは花粉と雌しべの中の子房の中で,それぞれ「半数体」の生殖細胞を作り,雌しべの生殖細胞は,他のカントウタンポポの花粉をもらって,その中の生殖細胞と合体することで,新しい種(タネ)が作られます。
 しかし,セイヨウタンポポやエゾタンポポは,同じ形の染色体を3組持っている「3倍体」,シロバナタンポポは「5倍体」です。奇数倍の染色体数を持っていると,染色体を半分ずつに分けることができなくて,生殖細胞を作れません。この場合,自分の細胞から直接,タネを作ってしまうので,花粉を運ぶことには意味を持ちません。次々と自分の「クローン」を作ることになります。これは逆に,虫が1匹も来なくても子孫を残せる,と言う強みにもなります。
 タネを作るのに虫を必要としないことが,花の色と関係しているのでしょうか?この点についてはよくわかりません。興味があったら,ぜひ,研究してみてください。
 セイヨウタンポポにも弱点があります。それは,気候さえ良ければ秋まで花をつけて活動することです。これなら,夏に休眠してしまう在来種よりも,たくさん子孫が残せそうな気がしますが,日本の野原では,夏には背の高い草が生い茂ります。セイヨウタンポポは夏になると光が十分にもらえなくなって,背の高い草との競争に負けてしまいます。こうした環境では,夏に休眠してしまう日本のタンポポの方が有利です。日本在来のタンポポは,日本の風土に合わせて進化しているのでしょうね。ですから,セイヨウタンポポは,開墾したばかりの荒れ地であるとか,いつでも日当たりのいい芝生や土手などに多く見られるのです。

農林水産省家畜衛生試験場
     日本野鳥の会東京支部  小泉 伸夫
数理生物学懇談会会員 小荷田 行男
NTT光ネットワークシステム研究所  阿部 宏
日本自然保護協会 自然観察指導員

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